四柱推命/四柱推命「鑑定の実例」マイケル・ジャクソン

四柱推命の鑑定実例

 ここでは、四柱推命を用いた鑑定の実例をご紹介します。
 四柱推命を用いると、大運という10年単位の人生上の大きな運の流れと、年運という1年単位の細かい運勢が割り出せます。それぞれ、大運干支、年運干支を割り出し、元々の命式にこれらが加わった時の影響を見ていきます。

マイケル・
ジャクソン

マイケル・ジャクソン

PROFILE

1958年8月29日 出生時間 19:33(PM7:33)
出生場所 インディアナ州ゲーリー
マイケル・ジャクソン(1958~2009)……世界で最も成功したと言われる、音楽界・ダンス界におけるスーパースター。
代表曲に「BAD」「Billie Jean」「Thriller」「Black or White」などがある。

 マイケル・ジャクソンの出生時刻19:33(西経75°東部標準時)を、地方時差と均時差を考慮し、出生場所のインディアナ州ゲーリー(西経87°)を元にした視太陽時に置き換えると、18:44となり酉刻(午後5時~7時)となります。
 マイケル・ジャクソンが生まれた1958年のアメリカ・インディアナ州において、サマータイムは導入されておりません。この情報を元に、命式を作成すると次のようになります。

マイケル・ジャクソンの四柱干支

時 柱 日 柱 月 柱 年 柱
十 干
十二支

看 命

格局/従児格スタイル(仮従児格)用神/金・水 忌神/木・火

 この命式は「従児格スタイル(仮従児格)」として扱える命式です。
(同じ生年月日時に生まれた人であっても、中には内格で生きている人もいるはずで、マイケル・ジャクソンは従児格スタイルの生き方を選んでいたに過ぎません)
 地支には、申・酉・戌の西方合が成立し、食傷である金の五行が極端に強くなっています。
また、日支に破神となる木の十二支「寅」が存在していますが、申の西方合との冲で抜根しているのもポイントです。

 この命式を絵でイメージしてみると、次のような感じになります。

この命式を絵でイメージしてみると、次のような感じになります。この命式を絵でイメージしてみると、次のような感じになります。

 この命式のイメージは、「宝の鉱山」です。
日主が「戊」(つちのえ)の人は、親分肌で頑固ですが人情に篤いタイプです。やや気まぐれな所はあります。あり余る金の漏星(食傷)は、あふれるばかりの才能を意味する星です。

 この命式と良く似たものに、同じ1958年生まれの日本のミュージシャン兼音楽プロデューサーである小室哲哉さんがいます。

小室哲哉さんの四柱干支

時 柱 日 柱 月 柱 年 柱
十 干
十二支

この命式を絵でイメージしてみると、次のような感じになります。

この命式を絵でイメージしてみると、次のような感じになります。この命式を絵でイメージしてみると、次のような感じになります。

 マイケル・ジャクソンと小室哲哉さんの命式は、一致して日主が「戊」で「申・酉・戌」の西方合と、時干に「辛」があって、金の五行の食傷が非常に強い命式であり、あふれるほどの才能を表しています。
 このような一致は、もはや偶然とは思えないほどです。

 ただし、大きな違いとして上げられるのは、小室哲哉さんの命式が財星である水の五行が堤綱にあたって透干し、一定の力を持っているのに対し、マイケル・ジャクソンの場合は、命式の中に全く水の五行を有していないという点です。(申の蔵干には「壬」は一応存在していますが、西方合していて全く効力が表われない)

 そして、財が無いことで、食傷(漏星)と官の間の緩衝材がなく、マイケル・ジャクソンのこの命式は「木」の五行が巡る時に、精神的な葛藤を伴いやすい傾向を持つことになります。

 また、「財」は現実性でもあるので、そういった意味では現実性が希薄になりやすいとも言えます。
マイケルの発言の「僕はお金に固執はしない。
その辺の子供が、僕のダイヤを見て『きれい』と言ったら、『いいよ、持って行きな』と言っちゃうだろうし……」という内容からも、それをうかがわせます。
玩具好きなマイケルは、玩具代だけで1ヶ月に3000万円を使い、身の回りの世話をするスタッフは約20人以上が従事し、その費用は1ヶ月で4000万円に上ったと言われています。

 しかしながら、アーチストであるゆえの非常に神経質な一面もあった事も事実で、これは食傷が多い命式の共通点です。他にも、冤罪とはいえ「性的虐待疑惑」も、マイケルのあまりにも無防備すぎる現実無視な行動が、結果的に引き起こしてしまった事件とも言えなくはありません。

 あと、これは必ずしもという訳ではありませんが、燥状態の土の命式は皮膚病を患いやすいという傾向はあるようです。

  •  従児格の用神は、食傷と財となります。この命式にとっては、金と水となります。金の五行が巡る時は、自分の実力をさらに伸ばしていく時となり、水の五行の財が巡る時は、物事の結果が結実しやすい時期となります。
    (多くの食傷大過の命式にとって、財が巡った時が開運期となりやすい傾向にあります。ただし、命式が身弱の時には、それと同時にエネルギーは消耗しやすい時期となるので注意が必要ですが、マイケル・ジャクソンの場合は、従児格スタイルが成立しているので、この限りではありません)
  •  木の五行(官)は命式中では、ほぼ無力ですが、十干が巡運に巡り通根すると金(食傷)と対立して、心の葛藤を起こしやすくなります。

マイケル・ジャクソンの一生の運勢の流れを検証してみます。

マイケル・ジャクソンの立運は3歳4ヶ月となり、ここから10年ごとに運気の流れが変わっていきます。

3歳4ヶ月~13歳3ヶ月

  • 干支

    辛酉 辛 ― 傷官 / 酉の蔵干(温度・普通) 
    庚 ― 食神・辛 ― 傷官 (西方金運)

  • 五行・命式との関わり

     金の五行が非常に強まります。

     「辛」と「酉」十干十二支ともに金の五行の働きとなります。
     従児格スタイル(仮従児格)で生きている命式として見るならば、金の食傷の五行が巡る時の運気は良いはずです。
     しかし、マイケルの過去の回想談を検証してもわかるように、この時期は彼にとって決して幸せな時期ではありませんでした。これは当時、父親をはじめとする家庭というものに、非常にマイケルが影響を受けていたという事情があるかもしれません。
     ※家庭運を意味する夫妻宮(日支)の「寅」は、この命式を「従児格スタイル」として捉えた場合には破神となり、先天的に家庭というものが、葛藤の原因となりやすくなります。

  • 検証

     父のジョセフ・ジャクソンの歌とダンスの指導は相当に厳しく、せっかんも日常茶飯事だった。稽古中父親は、いつもベルトを持ってイスに座っていて、演奏を間違えるとそのベルトで叩いたという。マイケルは当時、父のことをとても憎んでいた。また、少年時代はクリスマスでも誕生日でも休み返上でレッスンとステージを続け、レッスンに行く途中、子供たちが楽しそうに外で遊んでいる姿を見て羨ましがっていた。
     しかしながら、11歳(己酉年)には、ついに才能が開花し、マイケルとその兄弟で結成したジャクソン・ファイブはデビュー曲から4曲連続で、全米チャート第一位になった。
     ただし、マイケル・ジャクソンの精神的苦悩は依然と続いていて、プロダクションとの確執や、思春期の声変わりやニキビなどに悩み、背が伸びる事で「背が伸びて可愛くなくなった」と観客から冷やかされる事もその原因の一つだったと言う。

13歳4ヶ月~23歳3ヶ月

  • 干支

    壬戌 壬 ― 偏財 / 戌の蔵干(温度・普通)辛 ― 傷官・丁 ― 印綬・戊 ― 比肩 (東方木運)

  • 五行・命式との関わり

     水の五行と金の五行が強まります。

     「壬」は水の五行、「戌」はこの命式の場合、金の五行の働きとなります。金と水の五行の働きにより、やがて才能は世にどんどん認められていくこととなります。

  • 検証

     17歳(乙卯年)所属していたレコード会社が、あくまでもアイドル路線で売り出そうとすることに対し不満を持ち離脱する。この後、新しいレコード会社に移籍するも、最初は自主プロディースを許されず、プロデューサーが準備する楽曲を使うことを余儀なくされた。
     マイケルが18歳(丙辰年)の時と19歳(丁巳年)の時にそれぞれ計2枚のアルバムを発表するも、マイケルは「この音楽は僕達のスタイルじゃないし、アイデンティティを失いつつあった」と当時を回想している。
     20歳(戊午年)クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えて「Off The Wall(オフ ザ ウォール)」を制作、プロモーションビデオの中の「タキシードを着たマイケルが3人に分裂するシーン」は話題を呼んだ。

23歳4ヶ月~33歳3ヶ月

  • 干支

    癸亥 癸 ― 正財 / 亥の蔵干(温度・普通)甲 ― 偏官・壬 ― 偏財 (北方水運)

  • 五行・命式との関わり

     水の五行が非常に強まります。

     「癸」と「亥」十干十二支ともに水の五行の働きとなります。
     従児格スタイルのこの命式にとって、水の五行である財が巡る時期は開運期となります。その時の運が開く度合いは、それまでの努力によって決まります。

  • 検証

     25歳(癸亥年)にアルバム「Thriller(スリラー)」がミリオン・ヒットし、世界中で一大センセーショナルとなり、売上世界記録を更新した。中でも「ビリー・ジーン」はマイケル・ジャクソンの全楽曲の中で最も有名な曲となる。
     26歳(甲子年)CM撮影中の事故で頭頂部に大きなやけどを負い、皮膚移植手術を受ける。また、家族を巻き込んでの金銭トラブルが発生し、マイケルは「ザ・ジャクソンズ(元ジャクソン・ファイブ)」を脱退する。
     33歳2ヶ月(辛未年)更なる音楽性を追求する為、クインシー・ジョーンズとタッグを解消し、「Black or White」を発表、20か国以上で売り上げ1位を獲得する快挙となる。

33歳4ヶ月~43歳3ヶ月

  • 干支

    甲子 甲 ― 偏官 / 子の蔵干(温度・普通)壬 ― 偏財・癸 ― 正財 (北方水運)

  • 五行・命式との関わり

     木の五行と水の五行が強まります。

     「甲」は木の五行で官となり、この命式にとっては心の葛藤を起こしやすい星です。「子」は水の五行で、透干している訳ではなく威力は弱いものの結果を残すエネルギーの作用となります。

  • 検証

     32歳(癸酉年)先天的に患っていた皮膚病である尋常性白斑がひどくなり、テレビ番組で悲痛な表情で告白する。この年、児童性的虐待の訴訟を起こされ、開催中のツアーの中止を余儀なくされた。児童の証言に多くの矛盾があり、明らかにでっちあげの疑惑だったが、マイケルが精神的に危険な状態にあることから、音楽活動への影響を懸念したマイケル側は和解金を支払うことを選択し、そのことにより世間から偏見の目で見られてしまう。
     35歳(甲戌年)エルヴィス・プレスリーの娘であるリサ・マリー・プレスリーと結婚するも、二年後に離婚。
     36歳(乙亥年)アルバム「HIStory(ヒストリー)」を発売。世間に対する苛立ちや悲愴が非常に強く表現されたアルバムであった。
     38歳(丙子年)デビー・ロウと再婚。

43歳4ヶ月~53歳3ヶ月

  • 干支

    乙丑 乙 ― 正官(月干・庚と干合)/ 丑の蔵干(温度・普通)癸 ― 正財・辛 ― 傷官・己 ― 劫財(北方水運)

  • 五行・命式との関わり

     乙は月干・庚と干合し化金、丑も酉と三合金局半会し、結果的に金の五行が強まります。

     「乙」は力は弱いものの、この命式の社会運「庚」にまとわりつき、この命式は金の五行に占められているので、五行変化で金となります。丑は雑気の十二支ですが、この命式においては金の働きが強く出ます。

  • 検証

     43歳(辛巳年)9月11日に起きた「アメリカ同時多発テロ」に衝撃を受け、チャリティーシングルを企画するも、実現することはなかった。また、この頃から、マイケルと所属レコード会社が、激しく対立するようになっていく。
     45歳(癸未年)少年に性的虐待をしたとして、その母親から訴えられ、警察に逮捕されるも、裁判でその少年とその母親の過去の前歴が明らかにされ、その2年後(乙酉年)に完全無罪判決となる。(一方、少年の母親には福祉詐欺での有罪判決が下った)
     48歳(丙戌年)音楽活動も無事に再開し、「マイケル・ジャクソン・カンパニー」を設立する。その後も精力的に活動し、コンサートチケットは即日ソールドアウトとなる勢いを見せる。
     2009年6月25日(己丑年庚午月辛丑日)、鎮静剤と麻酔薬プロポフォールの組み合わせによる「急性プロポフォール中毒」により、惜しくもこの世を去る。(享年50歳)検視官の解剖の結果、体の状態そのものはいたって健康な状態であったと言う。