四柱推命/四柱推命の占い方

四柱推命の占い方

日本の四柱推命には、泰山流、高木派、武田理論、台湾式、透派…と数え上げれば星の数ほどの占い方があり、膨 大な学問である推命学のどの部分を重要視するか、細かいところで言えば蔵干の取り方や全く蔵干を取らないもの など、大きな違いがあり、それぞれがお互いの流派を攻撃して牽制しあっているのが現実です。
どの流派が良い悪いという事ではなく、それぞれの流派に触れてみて、自分の一番合ったものを選ぶのが良いので はないかと思います。

とはいえ、自分なりの考えがないと、推命学を用いる事もできませんので、ここでは自分なりの理論で話を始めさ せていただきます。賛否のほうは、読者の皆様にお任せしたいと思います。

四柱推命には、大きく分けて「十干主体」のものと、「通変星主体」のものがあります。
ただし、これはどちらの 要素も重要で、どちらも極めれば「命式のバランスを取る」という、同じ場所にたどりつくものであると信じています。

「通変星」というものは十干同士の関わりをただ代名詞にしたものですが、その定義を書いておきます。

  • 比肩(ひけん)

    日主と同一五行で、陰陽が同じもの。
    (日主と全く同一の十干)

  • 劫財(ごうざい)

    日主と同一五行で、陰陽が異なるもの。

  • 食神(しょくじん)

    日主が力を漏らす五行で、陰陽が同じもの。

  • 傷官(しょうかん)

    日主が力を漏らす五行で、陰陽が異なるもの。

  • 偏財(へんざい)

    日主が剋する五行で、陰陽が同じもの。

  • 正財(せいざい)

    日主が剋する五行で、陰陽が異なるもの。

  • 偏官(へんかん)

    日主を剋しにくる五行で、陰陽が同じもの。

  • 正官(せいかん)

    日主を剋しにくる五行で、陰陽が異なるもの。

  • 偏印(へんいん)

    日主に力を与えてくれる五行で、陰陽が同じもの。

  • 印綬(いんじゅ)

    日主に力を与えてくれる五行で、陰陽が異なるもの。

この十種類の星には、それぞれ意味合いがあり、運命上でその星が巡ってきた時に、それに関わる象意が起こります。また、命式上では、その人の性格に大きな影響を及ぼします。特に「通変星主体」の流派は、それを最重要視します。ただし、通変星のみでは、起こる象意やその人の性格の傾向は判っても、吉凶や良い悪いまでは「命式のバランス」を看なければ判りません。
それを看て、命式に必要な星を割り出すのが、「通変星看法」です。

流派の中には「劫財」・「傷官」・「偏官」・「偏印」を凶星と決めつけ、安易な鑑定をしているものもありますが、絶対に賛同できません。おそらくは五行のバランスという発想の生み出される以前の古い文献から採ったもので しょうが、通変星自体には決して吉凶はありません。

一方、「十干主体」の方では、それぞれ比肩と劫財(自星)、食神と傷官(漏星)、偏財と正財(財星)、偏官正官(官星)、偏印と印綬(印星)の区分けはそれほど重要ではなく、その十干の意味合いを重要視します。

例えば、日主「己」(つちのと/畑の土)にとって、「癸」(みずのと/雨露の象意)は偏財星、「壬」(みずのえ/大河・海の象意)は正財星となって、どちらも「財星」になりますが、「癸」は畑を潤してくれるので吉とし ますが、「壬」は畑の土を押し流してしまい、河を土で濁らせるので(推命用語で「己土濁壬」(きどだくじん)という)凶とするのです。

これは神峯通考の理論などが基になっていて、バランスが比較的取れている命式には良く当たるのですが、これと ても例えば日主「己」が夏月生まれで火星が多く、カラカラに乾いた畑のような命式であれば、むしろ「癸」以上 に勢いのある「壬」の方が良い働きをします。

「通変星主体」にしても「十干主体」にしても、命式のバランスと用神(その命式の中で最も大切な要の星)をハッキリさせなければ、吉凶を看る事はできません。その上で、命式を調和してくれる星が何であるかを割り出します。そして、その星が運勢に巡ってくる時が、その人の開運期となります。
(従旺格・従勢格などの特殊格は例外とします。)

また、その星の象意こそが、その人にとっての開運のポイントであり、その五行を命式に多く持っている人が、運勢を開いてくれるパートナーとなります。

通変星を五種に分けて、簡単に象意を書いておきましょう。

  • 自星(日主と同一五行)

    自我。自己主張。独立。積極性。兄弟。

  • 食傷(日主が力を漏らす五行)

    優しさ。気兼ね。技術。反発心。

  • 財星(日主が剋する五行)

    計画性。情報。財産。移動。(男性の場合、妻や恋人)

  • 官星(日主を剋しにくる五行)

    仕事。重圧。自制心。出世。(女性の場合、夫や恋人)

  • 印星(日主に力を与えてくれる五行)

    引き立て。知恵。資格。気まま。甘え。

命式を大自然の中の景色のように捉え、その中で日主の想いを心で聞いてやるという事こそが、おそらくは四柱推命の真髄であり、僕自身もまだまだ研鑽の身の上ですが、それこそが正しい方向性ではないかと信じております。

「通変星主体」、「十干主体」どちらであっても、そこを目指すものであり、表裏一体であるものではないかと思います。ただし、比較的バランスの取れた命式は、調候用神的な喜忌(「きき」と読む/吉星と凶星の事)の取り方が良く、「十干主体」にした微妙なバランスが役に立ちますし、バランスがかなり崩れた命式は、扶抑用神的な 方法、すなわち景色を感じるより先に応急処置的に五行のバランスを整える「通変星主体」的な喜忌の取り方の方 が、経験則的にも良く当たるようです。

様々な命式を出して、実際に検証してみる事が、一番確かな方法であるようです。
他にも、十二運(「長生」・「沐浴」・「冠帯」・「建禄」・「帝旺」・「衰」・「病」・「死」・「墓」・「絶」・「胎」 ・「養」)を用いたり、神殺星(「天乙貴人」・「天徳貴人」・「月徳貴人」・「駅馬」・「囚獄」・「桃花殺」…など)を用いたりするものもあり、星の名称も神秘的で惹かれますが、ここでは説明を割愛させていただきます。五行の バランスという観点から考えると矛盾が多く、これらはあまり重く用いるべきではない気がします。