エテイヤは、軽薄な商売占い師というような印象が、常につきまとっていますが、そういった評判は後のエリファス・ レヴィや、パピュスの書に書かれている、彼の一面的な評価に過ぎません。
実際にエテイヤは、誰よりも真面目にカード占いをリサーチし、タロット占いの発展に貢献した功労者でした。カルト マンシー(Cartonomancie)=「カード占い」という言葉は、現在、フランス語圏や英語圏で当たり前の言葉になっ ていますが、これはエテイヤが生み出した言葉です。
そして昨今、エテイヤが小アルカナのカードに割り当てた占い上の意味が、カバラの生命の樹と結びつける事ができる 事が、タロットの研究家・ロナルド・デッカーにより示唆されています。
エテイヤの著書には、1757年からフランスのブルターニュ地方で、エテイヤは山麓の老人から8年の間、タロット の知識を伝授されていたという記述が、何度も出てきます。
この記述は、後の研究者から全く根拠のない作り話のように、扱われる事がほとんどですが、確かに額面通り、この時 期エテイヤが8年間、誰かに弟子入りをしていた事は考えづらいものの、師のような存在と出会い、その人物から何ら かの教えを受けていた可能性は十分に考えられます。
タロットの研究家・ロナウド・デッカーは、エテイヤの綴ったカードの数の意味と、カバラ伝来の生命の樹の意味など が、見事な形での符合を示してしている事から、エテイヤが言うこの山麓の老人こそが、カバリストもしくは、カバラ の知識をカバリストから受け継いだ人物であった可能性があると、著書で述べています。

(続く)